フィリピンの組織管理で大切にしている3つのこと

フィリピンで3年近く組織管理してきた。これまでに9人採用して現在7人。 フィリピンでの離職率を見ると悪くはないと思っている。

その中で重視している3つのこと共有したい。抽象的ではあるがこの3つがちゃんとできていれば継続的な組織となると考えている。

フィリピンでの組織づくりとして記載してはいるが、日本でも他の国でもこの考え方は通用すると思う。

ちなみに本内容については、参考と方法論があるわけではなく、個人的に思うことである。

3つの要素は「給与、業務満足度、人間関係」

簡単に言えば、(能力に見合った)十分な報酬があり、仕事内容に楽しみを見出して、良好な人間関係を築ける、 これが満たせる環境ができれば人は概ね継続的な組織ができる。

過去に2人離職したが、その理由はいずれも「違う分野の仕事がしたい」だった。 例えば、うちはWEB系の業務なのだが、「物理的に動くもののシステム開発をしたい」「モバイルやデスクトップアプリの開発がしたい」といった理由だ。 こればかりは、うちの組織でどうこうできる内容ではないので仕方ないと考えている。 もちろん、これが本音かどうかはわからないが、他のメンバーから聞くに本当だろうということだ。

これらの3項目についてもう少し詳細を記載する

給与

通常の水準より以上は提供すること。そしてちゃんと個々の能力を見る・評価すること。

人間は自分のことをちゃんと認めて(評価してほしい)、また能力に見合った報酬が欲しいと考えている。 認めるということは不当に高く見積もることではなく、正当に見ること。つまり、良いこと・悪いことをちゃんと説明して、自分のことを見てもらっていると感じることが大切だと思う。

その上で、その能力でもらえる一般的な水準以上の給与を提供すること。自分の能力に見合った報酬は欲しい。報酬がそこに達さない場合はモチベーションが著しい下がる可能性があるだろう。 もちろん、明確な水準を提供することは難しいと思っている。であれば、気持ち多めにすれば良いと思う。 下手に不当に評価されてモチベーション低下、転職を検討されるくらいであれば、多めに出して仕事に集中してもらったほうが良いだろう。 難しいのが、高すぎるとそれはそれで頑張らなくても十分もらえると感じてしまうので注意が必要。

業務満足度

簡単にいうと、適度に難しく挑戦的な業務でかつ、成長を実感することができることが大切だと思う。 ここは人によるが、やることが簡単過ぎてもつまらないし、難しすぎるとプレッシャーが強くかかり苦しくなる。 コンフォートゾーンから少し出るくらいを意識したい。

また、本人がやりたいことができているかも重要だろう。フロントがやりたいのにバッチなどのスクリプトばかり書いているとモチベーションは下がる。 とはいっても、プロジェクトの状況によって思い通りにはならないことが多いので、そういう場合は本人とコミュニケーション取りながら納得してもらうとうにする必要がある。

人間関係

チームで働く、仲間意識を高めることが重要。一緒にいるメンバーを尊敬できる、頼りになると思えるとそこに居続ける力が働くと考えている。 これは業務中でのコミュニケーションと業務外でのコミュニケーションの両方の側面があると考えている。

業務中のコミュニケーションとしては、言いたいことが互いに言える、気軽に相談・質問ができるかが重要になる。 ペアプログラミングやグループワークとかを時折入れることで結束力を強めるようにしている。

また、良い人間関係とは、「批判することは避けることが大事」と思う人もいるかもしれないがそれは違う。 経験上、建設的な批判、本人の成長に必要であれば、厳しい意見を言うこと自体は満足度の低下にはならず、長期的にプラスとなると感がている。 ただし、その意図・思いが本人にちゃんと届かないマイナスになることがあるので要注意。

業務外でのコミュニケーションとしては、フィリピンでいうと、チームビルディングや仕事終わりのご飯・飲み会、クリスマスイベント、誕生日イベントなどだ。 経験上、フィリピンのエンジニアはいわゆるコミュ力が高くはない。けれど、みんなで仲良くやりたいと思っている。 なので、こういった一緒に時間を過ごす機会を提供することで結束力を高まる。

それって単に奢ってほしいだけじゃないの?とか言われるが、経験上はそんなことはなく、むしろ昼とかは割り勘でも乗り気だったりする。

さいごに

この3つは至って当然かもかもしれない。けれども色々やっているとどれかが欠けてしまうことがあるので気をつけたい。

これらを実現する手法としては、給与計算・人事評価の仕組み、メンタリングの手法、エクストリームプログラミングなど、色々とあるはずなので その組織に見合った手法を取ればよいだろう。